14.7 商業化

14.7.1 商業化の目的

本学は、一般社会での利用及び福利のために本学知的財産を商業化することを奨励します。TDICは、その活動を統括します。

いかなる場合にも、本学知的財産の商業化の目的は、非倫理的、違法又は犯罪的事項に一切関連してはなりません。

14.7.2 創作者のサポート

本学知的財産の商業化の成功のためには、多くの場合、本学知的財産の創作者やその他関係する本基本方針の適用対象者の協力が必要です。本学は、時に、本学知的財産の創作者又はその他関係する本基本方針の適用対象者に対して、該当する本学知的財産の商業化のためにTDIC及び関連する第三者(企業等)と協働するよう依頼することがあります。各創作者又は本基本方針の適用対象者は、TDICに合理的な範囲でサポートを提供し、TDICに協力することが求められます。TDICは、要求するサポートを最小にするように努力します。

14.7.3 チーム契約

本学が一つ以上の本学知的財産の、又は更なる本学知的財産を創作することにつながりうる本学知的財産の、商業利用のために第三者と契約を締結する場合は、同時に、本学と該当する本学知的財産の全創作者との間で、チーム契約を締結します。

この契約は、以下の(i)~(iii)を含みますがこれに限定されません。(i)該当する各本学知的財産に関連する創作者本人による、自己の知る限りにおいて、そのチーム契約に含まれる資格のある個人全員がその契約の当事者であることの確認、(ii)その商業利用から生ずる知的財産収入の全創作者持分について、該当する全創作者間の配分率の記録、及び(iii)該当する本学知的財産に対する創作者の直接の貢献に重要な変更がある場合、又は、その第三者との基本契約に新たな本学知的財産が追加される場合には、知的財産収入の全創作者持分の該当する全創作者間の配分が将来変更の対象となりうることの承認。

該当する創作者が、チーム契約上の配分率又はチーム契約の見直しについて合意に至らない場合は、首席副学長(技術開発イノベーション担当)が、首席副学長(技術開発イノベーション担当)がふさわしいと認めるその個人及び/又は組織と協議したうえで、その配分率について決定し、該当する創作者に対するその決定通知が該当するチーム契約とみなされます。

14.7.4 収入の分配

14.7.4.1 総則
本学は、本基本方針の施行日前に旧基本方針に従い発効した契約から生ずる本学知的財産の商業利用から発生する知的財産収入は、旧基本方針に規定の分配ルールに従って分配します。

本学は、本学知的財産の商業化から本学が受領しうる金銭的利益について、その本学知的財産によって発生した純知的財産収入の3分の1(以下、「本学知的財産の全創作者持分」という。)を創作者に(全員分として)分配することによって、その本学知的財産の創作者と分け合います。本学は、その純知的財産収入の残り3分の2の権利を得ます。

本学知的財産に関する「純知的財産収入」は、該当する知的財産収入から以下の(i)及び(ii)を控除し本学が決定します。

  1. 本学知的財産に関して本学に発生した想定外の費用の負担額全額(その本学知的財産に係る紛争又は商業化において発生した弁護士費用、又は重大な維持費用等)、及び
  2. 適用法により控除及び/又は源泉徴収が必要な全ての税金。

14.7.4.2 共同で創作された知的財産
一人又は複数の創作者による個々の貢献というよりは、むしろ複数の個人による同時又は長期にわたる一連の貢献によって創作された本学知的財産から知的財産収入が得られた場合は、この方針とは異なる書面による契約がない限り、本学に全額分配されます。例えば、複数の本基本方針の適用対象者が長期にわたり開発や改良したソフトウェアのように、創作者を一名又は特定のグループに限定することが適切でないものはここでの共同で創作された知的財産に該当します。しかし、単に複数の個人が知的財産の創作に寄与したという事実があるだけでは、そのことから直ちにその知的財産が共同で創作された知的財産を構成するとの結論が導かれることはありません。

14.7.4.3 分配の頻度
本学は、知的財産収入の全創作者持分を、分配を受ける個人へ年次で分配します。

年次分配が事務的に非効率な場合は、TDICが首席副学長(技術開発イノベーション担当)の承認を得た上で、異なる頻度での分配を決定する場合があります。

TDICが、知的財産収入が(i)紛争になりうる、又は(ii)本学に想定外の出費を発生させうると誠意を持って判断する場合には、学長の承認をえたうえで、TDICが、必要と考えられる期間その知的財産収入の全額又は一部を留保する決定をすることがあります。

14.7.4.4 創作者の遺産相続
創作者の遺産財団、相続人、受遺者又は譲受人は、該当する本学知的財産の商業化から本学が知的財産収入を受ける間は、知的財産収入の該当する全創作者持分に係る創作者の持分に継続して権利を有し、本基本方針上、創作者とみなされます。

14.7.4.5 連絡先及び銀行口座情報
各創作者は、自身の最新の連絡先や知的財産収入を分配するための銀行口座情報を本学が確実に把握できるよう連絡してください。創作者の最新の銀行口座情報がない場合は、本学は、知的財産収入の全創作者持分の内のその創作者の持分を最長で3年間保存しますが、それ以降は、その創作者はその支払いを受ける権利を完全に喪失します。本学に提供された情報が古い又は間違っているために本学が誤った口座に支払いをした場合は、本学は、その支払いについてそれ以上のいかなる義務及び責任も負わず、その支払いは正式かつ適切になされたものとみなされます。

14.7.4.6 財産的権利
本学は、本学知的財産の実施許諾の対価として、ライセンス先の企業からその財産的権利を受けることがあります。

本学が保有する間は、本学の単独の裁量でその財産的権利を管理します。本学知的財産の実施許諾の対価として本学が受領した財産的権利の保有から生ずる権利(希釈化防止権等)に基づく更なる財産的権利は、本学の単独の利益のために獲得され又は発生します。

本学が本学知的財産の実施許諾の対価として受領した財産的権利の保有から、例えば、株式の配当金や財産的権利の売却益等により、知的財産収入が得られた場合は、本学は、14.7.4の規定に従いそれらを分配します。

14.7.5 スタートアップ

本学は、本学知的財産の事業化、新たなビジネスの推進、及び産業創出の方法として、起業家育成とスタートアップ事業を積極的に奨励します。

TDICは、プルーフ・オブ・コンセプトプログラムや、イノベーションスクエア・スタートアップアクセラレータープログラム、またインキュベーター施設の運営など、本学の起業家育成のイニシアチブを統括します。本学は、本学知的財産の実施許諾を受ける、又は本学の起業家育成イニシアチブに関連するプログラムに参加するスタートアップへの支援サービスを提供します。

本基本方針の適用対象者は、本学の起業家育成イニシアチブ及びこれに関連するプログラムの詳細、インキュベーター施設の利用条件及び/又は本学知的財産のスタートアップへのライセンスについては、TDICに相談してください。

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