39.6 ルール

39.6.1 ハラスメント以外の係争解決手続き

39.6.1.1 対象者:本学の全ての職員は、インフォーマルあるいはフォーマルな、その他係争等に関する解決策を求めることができます。

39.6.1.2 現場でのインフォーマルな問題解決

39.6.1.2.1 職員とその上司は、その他係争等について、できるだけ当事者同士で解決できるよう効果的に対処することが期待されます。職員は、まず上司にインフォーマルの解決策を求めます。その係争がその上司の関係することであれば、職員はマネジメントの更に一段階上の者と話し合います。

39.6.1.2.2 上司とその上位の管理者は、苦情について調査を行い、問題解決のための策を講じ職員に対し書面によって回答しなければなければなりません。その職員が所属ユニット/部署内で問題が解決されていないと考えるときは、次の段階の係争解決手続き(人事担当者による係争解決)を利用することができます。

39.6.1.3 人事担当者による係争解決

39.6.1.3.1 苦情のある職員(相談者)は副学長(人事担当) に連絡し、副学長(人事担当) は先ず5営業日以内に苦情が本章の下での申立てであるかを決定し、不正行為(PRP23章)あるいは利益相反(PRP22章)の手続の下で解決されるべきものである場合には、相談者にその旨を伝えます。

39.6.1.3.1.1 副学長(人事担当)に苦情を申し立てるための専用の機密性のあるメールボックスを設置しました(RWAH.HR@oist.jp)。副学長(人事担当)又は人事担当者から2営業日以内に、返答があります。

39.6.1.3.2 苦情が本章のもとで適切に申立てられていることが確認されると、副学長(人事担当)は、相談者と所属ユニット/部署の間の係争を解決するためコミュニケーションを促進しなければなりません。副学長(人事担当)と当該ユニット/部署は、問題を調査し、苦情解決のための策を講じなければなりません。

39.6.1.3.3 副学長(人事担当)は、追加の日数が必要でない限り、係争が申し立てられてから15営業日以内に、相談者に対し、書面により回答しなければなりません。追加の日数が必要であるときは、相談者に対し、回答予定日を連絡しなければなりません。

39.6.1.4 委員会による係争解決

39.6.1.4.1 人事担当者によって問題が解決しなかった場合には、相談者は、委員会レベルの解決手続きを活用することができます。係争処理委員会(Dispute Resolution Committee: DRC)による審査を求めるときは、その請求を書面により副学長(人事担当)に提出しなければなりません。

39.6.1.4.1.1 事務局長は、個々の事案ごとに、3人以上のDRCの委員を選任します。委員の指名は事務局長が行います。委員には、外部の有識者を含めることもできます。

39.6.1.4.2 DRCは、書面による請求を受理してから15営業日以内に設置、召集され、係争を検討しなければなりません。DRC招集のために追加の日数が必要である場合には、更に15営業日延長することができます。

39.6.1.4.3 DRCは、当該事項を公平かつ機密性に配慮して調査・検討し事実関係や状況を把握し、それに基づいて解決策を勧告します。DRCは、原則として最初に招集されてから20営業日以内に勧告を作成しなければなりません。検討完了のために追加の日数が必要な場合には、この期間は、更に20営業日延長することができます。

39.6.1.4.4 DRCは、作成した報告と勧告を事務局長に提出しなければなりません。事務局長は、DRCの報告と勧告受領から30営業日以内に、当該事案に対する最終的な処置を行わなければなりません。事務局長が更に日数が必要なときは、この期間を更に30営業日延長することができます。

39.6.1.4.5 事務局長の裁定は学長の承認を得た後に、本学の最終解決策となります。最終解決策が執行されたあと、事務局長は相談者に当該事案が終結したことを書面により通知しなければなりません。プライバシーへの配慮から、OISTは最終解決策の詳細を相談者には知らせないことがあります。

39.6.2 ハラスメントの解決手続き

39.6.2.1 対象者:本学の全ての職員が、インフォーマルあるいはフォーマルな、ハラスメント問題の解決策を求めることができます。
苦情のある職員(相談者)は、機密性に配慮した本学外の互いに尊重しあう職場の実現及びアンチ・ハラスメントホットライン(RWAHホットライン)[Link:39.6.2.2]においてインフォーマルな解決を求めるか、又は副学長(人事担当)[Link:39.6.2.3.2]に直接連絡してください。

39.6.2.2 RWAHホットライン
事務局長は、互いに尊重しあう職場の実現及びアンチ・ハラスメントホットライン(RWAHホットライン)を設置します

RWAHホットラインは、本学の外部に設置され、相談や苦情を日本語又は英語で受け付ける機密性に配慮した窓口を提供します。ホットラインで相談を受けるコンサルタントは経験豊富な2名の専門家です。コンサルタントは相談者の相談にのり、必要に応じ、事態の解決を求めて、本学に報告を行います。相談者はいずれのコンサルタントに相談をするかを選択することができます。

コンサルタントがすぐに電話応対できない場合には、留守番電話に接続されますが、コンサルタントは電話を受けてから2営業日以内に相談者に折り返し連絡をすることとなっています。

また、メールによる相談も受け付けています。両コンサルタントの専用アドレスはoistmediators@yahoo.co.jpとなります。

RWAHホットラインを利用する全ての相談者のプライバシーを保護するよう細心の注意が払われます。相談者は、匿名でも氏名を明らかにしても相談することができます。

匿名の取り扱いを希望する相談者の要望が尊重されるよう最大限の努力が払われますが、全ての案件においてこれが保証されるものではありません。事態の深刻度が一定のレベルに達すると考えられる場合には、コンサルタントが相談者に氏名を明らかにするよう、また、コンサルタントから事務局長か副学長(人事担当)に連絡することを許可するよう促すことがあります[Link:39.6.2.2.1c]。通報の内容が身体的危害や違法行為に関わるものである場合や、相談者や本学の他のメンバーの安全や健康が切迫した危険にさらされている場合には、コンサルタントは相談者の同意なく、事務局長と副学長(人事担当)に報告することができます[Link:39.6.2.2.1d]。

39.6.2.2.1 コンサルタントの役割
RWAHホットラインのコンサルタントの相談者への応対はそれぞれの個々のケースによって異なりますが、基本的なプロセスは下記の通りです:

  1. 相談者の苦情をよく聞いて一緒に問題解決の方法について話し合う。
  2. 問題解決に有効だと判断した場合には、コンサルタントは調停者の役を務めることもあります。その場合、コンサルタントは相談者の同意を得て相談者の上司、苦情の対象になっている本人、その上司、あるいは特定の者、部署等と直接連絡をとって問題解決を試みます。
  3. 通報の内容が深刻で大学として調査すべきあるいは対応が必要なものである場合には、コンサルタントから直接にプロボスト、事務局長又は副学長(人事担当)に報告できる許可を相談者に要請することがあります。
  4. 通報の内容が身体的危害や違法行為(例えば、性的暴行を含む暴力行為)に関わるものである場合や、相談者や他の本学のメンバーの安全や健康が切迫した危険にさらされている場合には相談者の同意なく、コンサルタントは即座に事務局長と副学長(人事担当)に報告することができます。

39.6.2.2.2 相談者へのフォローアップ:上記b、 c、 dに該当するケースにおいては、原則的に、コンサルタントから相談者に適切なタイミング・方法で結果が通知されます。プライバシーへの配慮から、相談者は当該事案が終結したことだけ知らされて、OISTは最終解決策の詳細を相談者には知らせないことがあります。

39.6.2.2.3 学長や幹部職員に対する申立て:学長に対する申立てを受けた場合、申立ての性質にかかわらず、コンサルタントは、申立ての内容を理事会議長に速やかに報告することとします。ディ-ンを含む幹部職員に対する申立てを受けた場合、申立ての性質にかかわらず、コンサルタントは申立ての内容を学長に速やかに報告することとします。

39.6.2.2.4 記録の廃棄:コンサルタントは、相談者や持ち込まれた問題解決における関係者を特定できる情報が含まれているインフォーマルのメモを定期的に廃棄します。恒常的に保存する記録は、統計的な動向の情報をまとめたもののみとします。

39.6.2.3 人事担当者によるハラスメント係争解決

39.6.2.3.1 機密性のある学外のホットラインによってハラスメントの苦情や係争が解決しなかった場合には、相談者は副学長(人事担当)に通報して人事レベルの解決を求めることができます。初めから学外のホットラインを経ずに副学長(人事担当)に通報する選択もあります。

39.6.2.3.1.1 副学長(人事担当) に苦情を申し立てるための機密性のある専用のメールボックスを設置しました(RWAH.HR@oist.jp)。副学長(人事担当)又は人事担当者から2営業日以内に、返答があります。

39.6.2.3.2 副学長(人事担当)は相談者と連絡を取りながら当該事案についてインフォーマルかつ機密性を保つ初期調査を行い問題解決を試みます。

39.6.2.3.3 インフォーマルな手段で問題の解決が図られなかった場合、副学長(人事担当)は問題を委員会に送致し、解決のためにハラスメント係争調査委員会(Harassment Investigative Committee – HIC)を送致から15営業日以内に設置・招集します。

39.6.2.3.4 HICは副学長(人事担当)が任命した3人のメンバーからなり、うち1名を副学長(人事担当)が委員長に指名します。又、統括弁護士に任命されたOISTのリーガルカウンセル1名がオブザーバーとして加わり、人事職員がHICの運営をサポートします。

39.6.2.3.5 HICは当該事項を公平かつ機密性に配慮して調査し事実関係や状況を把握し、それに基づいて解決策の勧告をします。原則として、HICが招集されてから20営業日以内に書面で副学長(人事担当)に解決策を提示することとします。追加の日数が必要な場合には、副学長(人事担当)に新しい提出予定日を通知します。

39.6.2.3.6 副学長(人事担当)は、追加の日数が必要でない限り、HICの報告を受けてから10営業日以内に、相談者に対し、書面により回答しなければなりません。プライバシーへの配慮から、相談者は当該事案が終結したことだけ知らされて、副学長は最終解決策の詳細を相談者には知らせないことがあります。
追加の日数が必要な場合には、相談者に回答予定日を連絡します。

39.6.2.3.7 学長や幹部職員に対する申立て:学長に対する申立てを受けた場合、申立ての性質にかかわらず、副学長(人事担当)は、申立ての内容を理事会議長に速やかに報告することとします。ディ-ンを含む幹部職員に対する申立てを受けた場合、申立ての性質にかかわらず、副学長(人事担当)は申立ての内容を学長に速やかに報告することとします。

39.6.2.4 幹部委員会レベルによるハラスメント係争解決

39.6.2.4.1 人事レベル、又は研究科レベル(GS RWAH Policies)で問題が解決しなかった場合には、幹部委員会レベルの解決手続きを活用することができます。ハラスメント係争処理委員会 (Harassment Dispute Resolution Committee: HRC) による検討・調査を求めるときは、相談者はその請求を書面により副学長(人事担当)、又は研究科長に提出しなければなりません。

39.6.2.4.1.1 事務局長(職員の場合)又はプロボスト(学生の場合)は、個々の事案ごとに、3人以上のHRCの委員を選任します。委員長の指名は事務局長、又はプロボストが行います。委員には、外部の有識者を含めることもできます。

39.6.2.4.2 HRCは、書面による請求を受理してから15営業日以内に設置、招集されなければなりません。招集のために追加の日数が必要である場合には、この期間は、更に15営業日延長することができます。

39.6.2.4.3 HRCは、事案の事実関係や状況を特定するため、フォーマルの、機密性のある、公正な調査・検討を行います。HRCは、最初の招集から20営業日以内に勧告を作成しなければなりません。検討完了のために追加の日数が必要な場合には、この期間は、更に20営業日延長することができます。

39.6.2.4.4 HRCは、作成した報告と勧告を事務局長に提出しなければなりません。事務局長は、HRCの報告と勧告を受領してから40営業日以内に、当該事案に対する最終的な処置を行わなければなりません。事務局長が更に日数が必要なときは、この期間を更に40営業日延長することができます。

39.6.2.4.5 事務局長の裁定は学長の承認を得た後、本学の最終解決策となります。最終解決策が執行されたあと、事務局長は相談者に当該事案が終結したことを書面により通知しなければなりません。プライバシーへの配慮から、OISTは最終解決策の詳細を相談者には知らせないことがあります。

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