3.4 教員組織の管理運営体制

本学の教員組織の管理運営の体制については第2章に定めます。教員自治及び教務を担う組織は教授会(ファカルティ・アセンブリー)です。教授会には幹事会として代議員会(ファカルティ・カウンシル)を置きます。教授会及び代議員会については3.4.1項、及び3.4.2項にそれぞれ規定します。教員の管理は教員担当学監が行います。

プロボストは、研究リソースの管理、研究倫理の普及の促進を行い、研究プログラムが最高水準の倫理規範を順守するよう努め、コアファシリティの該当する分科会を率い、研究関連領域について本学を代表し、教員担当学監、研究担当ディーン及び研究科長と連携します。

研究科長は、本学の研究科を運営します。研究科長は、任期を3年とする輪番制の職位で、学長の裁量により再任が可能です。

研究科長は以下に示す事項を含む、本学の教育プログラムを管理します。

  • 学生募集及び入学に関する事項
  • 教育課程及び授業科目の編成に関する事項
  • 学生の指導及び監督に関する事項
  • 学生の就職に関する事項
  • 学位授与及び修了に関する事項
  • 学生の入学、再入学、退学、転学、留学、休学に関する事項
  • 学生の賞罰に関する事項
  • 教育内容の評価に関する事項
  • その他、教育に関する事項

研究科長は必要に応じて、研究科長委員会を設置し、主宰することができます。研究科長委員会には、上記の事項に関して知見を有する本学教員が含まれます。例えば、教員は入学者選抜委員会のメンバーとなることができます。また、ある学問領域について、教員からの提案に基づき、教育課程を改訂するためには、研究科長は、特定の教員を助言者として委員会メンバーに指名することができます。

研究科長を上席補佐する職員を置き、学生への経済支援、住居、学生自治会、課外活動、福利厚生、メンタリング、就職支援、学籍等、学生関連の職務を担当します。その職員は、輪番ではない事務職員であることから、研究科の運営の継続性が保たれます。

3.4.1 教授会

3.4.1.1 教授会の役割
教授会は本学の全教員からなる自治組織です。教授会は、大学に関する情報を教員に提供するとともに、大学運営に関して、学長との闊達な議論の場となることを主たる目的とします。教授会は学長の助言機関です。教授会は大学運営上重要と認めた問題を直接、学長に提起できます。効率的な運営のために、教授会は互選により、ファカルティ・カウンシルと称する少人数グループ(代議員会)を組織します。代議員会は、教授会議長が同じく議長となり、教授会の幹事会となります。教員は学内の様々な委員会において、管理運営に携わる義務も有します。このように委員会活動は大学の管理運営に関わることから、委員会への教員の選任は、学長、主席副学長、プロボスト、研究科長、教員担当学監、及び研究担当ディーンが行います。

3.4.1.2 構成員
教授会はプロフェッサー、アソシエイトプロフェッサー、アシスタントプロフェッサーの全専任教員及びアジャンクト教員をもって構成します。名誉教授、特別教授、及び客員教授は議決権を有しない構成員として教授会会合に出席できます。学生代表2名(学生による互選)、研究員代表2名(沖縄科学技術大学院大学研究者コミュニティによる互選)、及びサイエンス・テクノロジーグループ代表1名(サイエンス・テクノロジーグループ・フォーラムによる互選)は、発言権を持つが、議決権を有しない資格で教授会会合に出席できます。

学長、首席副学長、プロボスト、事務局長、研究科長、教員担当学監、及び研究担当ディーンは、職指定により、発言権を持つが議決権を有しない資格で教授会会合に出席できます。議長は、これら職指定の者、学生代表、及び研究員代表の出席を求めるとともに、必要に応じて拒否することができます。

3.4.1.3 教授会議長
教授会に議長を置きます。教授会議長は無記名投票により教授会から互選されます。議長選挙は2年ごとに行われます。議長の任期は2年です。教授会議長を選出するため、2月1日に候補者推薦が告示されます。候補者は3月の教授会会合でプレゼンテーションを行います。教授会会合でのプレゼンテーションの後、直ちに選挙が行われます。教授会議長が職務を行えなくなったときは、教授会は臨時議長を任命し、臨時議長は2ヶ月以内に選挙を行います。ここで選出された新しい議長は前任の議長の在任期間を引き継ぎます。

議長の役割は教授会の議事を主宰することです。議長は会合の開催日を決定します。議長は、審議事項を設定するに当たっては、学長、首席副学長、プロボスト、研究科長、教員担当学監、及び研究担当ディーンに事前に相談し、出席を求めるものとします。議長は、必要に応じて、職指定の者として教員を代表し、本学の管理運営に関する諸委員会に出席します。議長は教授会及び小委員会での審議結果を関係する役職者(理事会、評議員会、学長、首席副学長、プロボスト、研究科長、教員担当学監、及び研究担当ディーン)に報告します。

3.4.1.4 開催回数
議長は、教授会を少なくとも年に3回招集します。

3.4.1.5 審議事項
教授会は基本方針に関する事項、戦略的方向性及び教育理念等について審議します。具体的には、以下に掲げる事項を取り上げることができます。

  • 代議員の選出に関する事項
  • 学生の入学、退学、転学、留学、休学及び修了に関する事項
  • 新たな研究構想に関する事項
  • コモンリソース及び共有スペースに関する事項
  • 教員の採用、昇進及びテニュアに関する事項
  • 教員の福利厚生に関する事項
  • 情報技術及び図書に関する事項
  • 専門委員会の設置に関する事項
  • 教学面の報告に関する事項
  • 他の委員会における報告に関する事項
  • その他の事項

教授会は、入学及び卒業事項並びに教育プログラムの完了について意見を表明します。博士課程への入学を希望する学生の選抜に関しては、入学者選抜委員会に委任します。またカリキュラム・審査委員会に対し、博士課程におけるカリキュラム及び個々の学生の進歩に関する事項の対応を委任します。入学者選抜委員会及びカリキュラム審査委員会は研究科長に助言を行い、研究科長を通して教授会へ報告します。

3.4.1.6 教授会の手続及びルール

  1. 専任教員の過半数が出席していない場合、教授会を開くことはできますが、議案を決議することはできません。
  2. 教授会の議案は、議決権を持つ教員の過半数が出席し、その過半数をもって可決とします。幹部職にある教員は、OIST幹部としての責務に直接関係する事項については投票を棄権するよう求められます。可否同数のときは、教授会議長の決するところによります。
  3. 教授会議長が必要と認めたとき、教員は電話会議で教授会に出席し、議決権を行使することができます。教授会に出席しない教員の議決権は、これを認めません。
  4. 決議するべき議案があり、議決権を持つ教員の過半数が出席していない場合、議長はその場において、議案を決するためにオンライン投票を行うか、議案の決議を次の教授会まで延期するかを決定し、発表します。オンライン投票を行う場合、教授会は決議の対象となる議案の概要をまとめるか、その作業を議長に委任することができます。議案の概要はまず、教員に通知され、5営業日以内にオンライン投票が行われます。議決権を持つ教員の過半数がオンライン投票に参加し、なおかつ、その過半数が賛成した場合、議案は可決されたものとみなされます。
  5. 教授会議長は、必要に応じて教員以外の者の出席を求めることができます。
  6. 全ての教員は、教授会の議事次第及び議事録を入手することができます。

3.4.2 代議員会

代議員会は、教授会で互選された者からなる組織であり、その役割は教学面また運営面に関して学長に助言することです。議長は、審議事項を設定するに当たっては、学長、首席副学長、プロボスト、研究科長、教員担当学監、及び研究担当ディーンに事前に相談し、代議員会合に招聘するものとします。他の事務職員も必要に応じて出席可能です。この会合は、本学の役職者と教員の間の信頼関係及び協力関係の構築、維持を図る場であり、本学の組織運営の健全性に必要不可欠です。教授会は特定の事項に関して代議員会に審議を委ねます。代議員会の構成員は、教授会より互選された教員で、教授会議長を含みます。教授会議長は代議員会の議長も務めます。社会の指導的地位の約30%に女性を起用するという日本政府のジェンダー平等政策に沿って、代議員会議席の20%以上が女性教員のために確保されます。代議員会開催には、少なくとも女性教員1名の出席が必要です。代議員会の女性教員議席が空席の場合、選挙により1名以上の女性候補者が選出されるまで空席が続きます。

代議員会メンバーと教授会議長の任期は9月1日に始まります。メンバーの任期は2年とし、連続する2期まで選出されることができます。教授会は、教員の人数に比例して、代議員会の構成員の人数を増やすことを議決することができますが、その人数は全教員数の20%を超えてはならないものとします。以下の職指定の者及びアドバイザーは代議員会に出席できます。代議員会の構成は、以下のとおりです。

互選された者
 教授会議長
 互選された教授会構成員9名

職指定の者
 学長
 首席副学長
 プロボスト
 研究科長
 教員担当学監
 研究担当ディーン
 教授会事務担当

代議員会は月に一回開催します。全教員が代議員会の議事録を閲覧できます。

3.4.2.1 代議員会メンバーの選出
代議員会のメンバー構成に、性別、人種、科学分野、教員ランクなどの適切なバランスを考慮し、反映することが重要です。フルタイムのプロフェッサー、アソシエイトプロフェッサー、アシスタントプロフェッサーは、代議員会を選出する資格を有します。アジャンクト教員を含む、投票権を持つ教授会メンバーが、代議員を推薦し選出する資格を有します。

代議員会メンバーを選出するため、4月15日に候補者推薦が告示されます。候補者は5月の教授会会合でプレゼンテーションを行います。ただし、5月の教授会会合が定足数を下回り開催されなかった場合、6月に教授会特別会合を開き、候補者のプレゼンテーションを行います。前述した教授会会合、又は教授会特別会合のいずれかのプレゼンテーションの後、直ちに選挙が行われます。

選挙のルールと手順は下記の通りです:

  1. 候補者数が満たすべき議席数を満たさない場合、50%以上の支持票を獲得した候補者が選出されます。これは女性教員のために確保された議席にも適用されます。
  2. 候補者数が満たすべき議席数を超える場合、多くの支持票を獲得した候補者から順次選出されます。
  3. 選挙終了後、直ちに教授会メンバーに選挙結果が公表されます。
  4. 任期終了前の代議員会メンバーの後任を任命する必要がある場合、過去6か月以内に行われた代議員会メンバーの選挙において、選出されなかった候補者のうち最も多くの支持票を獲得し、かつ、任務遂行が可能な者を任命します。過去6カ月以内に選挙が行われていない場合は、代議員会は新たに選挙を行うか決定します。後任者の任期は、前任者の残任期間とします。

3.4.2.2 代議員会の手続及びルール

  1. 代議員会の議事は、出席した構成員の過半数をもって決します。教授会の中から互選された者は議決権を有し、職指定の者及びアドバイザーは議決権を有しません。代議員会は、議決権を有する構成員の過半数が出席しなければ、議事を開くことができません。
  2. 全ての教員は、代議員会の議事次第及び議事録を入手することができます。

3.4.3 教授会及び代議員会の事務局

教員担当学監オフィスは教授会事務局及び代議員会事務局としての役割を果たします。教授会事務担当は教授会議長と協働し、教授会・代議員会事務局長として、会議の議題作成、文書作成、教授会又は代議員会が設置した小委員会に関する事務取扱、及びシニアレベル・エグゼクティブ(上級幹部職)との調整を行います。

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